ぬるオタな日々 by 少恒星

アラフォー独身のぬるオタの日々戯言。

コミックマーケット103 回顧

新年明けまして・・・と定番の挨拶をするのも躊躇う、怒濤の新年の幕開けとなりましたが今年もよろしくお願いいたします。そして被災された方には心よりお見舞い申し上げます。

さて、4年ぶりにサークル参加した、年末の冬コミコミックマーケット103)も無事に終了し、新刊も無事に送り出すことができました。お越し頂いた方、新刊を手に取ってくださった方には厚く御礼申し上げます。売上の話をするのはどうかと思いますが、全く売れないという悲惨な結果にはならず、それなりには売れたので、まあ満足しています。これを皮切りに、即売会への参加もちょくちょく増やしていきたいと思いますので、そのときはよろしくお願いいたします。

自分としてはコミケへの参加は1年半ぶりで、コロナ禍以降で来場者制限の無いコミケは今回は初めてだったけど、それ以前の活気がだいぶ戻ってきたという印象がある。もともと混雑は苦手なので、人混みをかき分けて歩きまわるのはしんどいのだけど、でもこのカオスさこそがコミケの醍醐味なんだよね。そういう意味では本来の姿を取り戻せて良かったと思う。一方で、チケット制が導入されたためか、入場も分散されて、自分の島あたりは午前よりも午後からのほうが賑わっていた。実際、新刊は午前中全然売れなくて焦ったけど、午後から売れ出してホッとした。

ところで、今回のサークル参加中に、こんな出来事がありましてね。

サークル入場して割り当てのスペースに着くと、同じ机のお隣のサークルはすでに設営されていたが、クロスが敷かれていて、その上に「11時30分から開始します」という札が置かれていただけ。一方、当サークルは、POPスタンドや棚まで用意して、お品書きや見本誌をズラリと並べるほどの力の入れよう。

そして10時30分に開始。しばらくすると、お隣のサークルを訪れる人がチラホラ現れるも、卓上の札を見て立ち去る人が相次ぐ。中には「33bって、ここですか?」と私に聞いてくる人も。即座に私は「お隣は11時半からみたいです」と返答。お隣目当ての人の多さに、私もだんだん気になり始める。調べてみると、どうやら『葬送のフリーレン』の演出解説本らしい。そりゃ今期の覇権アニメ(古い?)の本なら、みんな気になるわな・・・。

その主が戻る予定時刻の11時半の、およそ10分前。
すると、隣のスペースの前に人が集まりだし、次第に列が出来はじめる。その列はどんどんと伸びていき・・・

なんと隣の島にまで伸びてしまった。マジ!?
二次創作やイラスト本ならともかく、解説本でこんなに並ぶ光景なんて見たことない。当然ながら、その列は他のサークルのスペース前を潰してしまうわけで、さすがにマズいという気になってくる。スタッフを呼んだ方が良いんじゃ・・・と思ったちょうどそのとき、気づいたスタッフが現れ、即座に列形成を始める。待機列は、通路の広いI列とH列の間に移動され、なんとか事なきを得た。こういう不測の事態にすぐ対応できるコミケスタッフ、やっぱり凄い。

11時半過ぎになってようやくサークルの主が到着。この事態には、さすがに主も予想していなかったらしく「マジか」と驚いた様子。慌てて持ってきた同人誌を取り出して頒布を始める。その同人誌は、およそ20ページほどのコピー本。1冊72ページの平綴じで製本してもらった、こっちの新刊とはエラい対称的である。しかし、これが飛ぶように売れる。ひっきりなしにお金を受け取り、同人誌を手渡し、なんと開始から30分足らずで100部ほどあったコピー本は完売してしまった。そしてすべて売り切った主は、テーブルに敷いていたクロスも片付けて、その場をさっさと後にした・・・*1。嵐のように過ぎ去った30分だった。

とまあ、これが今回のコミケで一番強烈に印象に残った出来事なわけで。あの場ですぐに対処したコミケスタッフも凄いが、あのコピー本ですぐに完売できた主も凄い。あとで調べてみると、どうやら実際にアニメの現場で働いている制作進行の人らしく、その視点からの解説本と聞けば、そりゃ私も気になりますわ。企画の勝利といったところでしょう。でも、制作進行は激務と聞くので、そんな多忙な仕事の合間を縫って、同人誌を出したというだけでも凄いと思いますが。

なお、私の新刊は、その5分の1にも満たない売上でしたよ・・・。まあ、比べるようなものではないし、こういうのは地道に売っていければいいかなと思います。待機列できるほどに売れたら確かに大満足ですが、そんなことはもう一生無縁でしょうな。

*1:なお、スペースに残った椅子は、手伝いに来てくれた売り子用にありがたく使わせていただきましたよ。