ぬるオタな日々 by 少恒星

アラフォー独身のぬるオタの日々戯言。

トレインホステル北斗星で、念願の個室寝台

ブルートレイン。かつては北から南まで日本中を走り、多くの鉄道少年たちが一度は乗りたいと目を輝かせたであろう憧れの存在だった。私がブルートレインに乗れたのは過去数回ほどだったが、列車で一晩を明かすという「非日常」な体験がなんともたまらず、興奮のあまりにベッドで寝付けなかったのが印象的だった。しかし、そのブルートレインも「北斗星」の廃止で消滅。「北斗星」も一度は乗りたいと思っていただけに、ブルートレインの廃止は、自分の鉄道熱を大きく下げるほどにショックな出来事だった。最近はクルーズトレインとしての豪華寝台列車も登場しているものの、ブルートレインと比べれば、どうしても敷居の高さを感じてしまう。

そんな懐かしのブルートレインを再び味わえる宿泊施設がある。それが馬喰町駅直結の宿泊施設「トレインホステル北斗星」だ。「北斗星」で使われていた2段ベッドやドアなどの実車パーツを再利用し、「北斗星」のイメージを引き継ぐ宿泊施設として2016年12月にオープンした。なかなか遠出もままならないご時世だし、せめて旅行気分を味わいたいと思い、ここへ宿泊することにした。

trainhostelhokutosei.com

チェックイン

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馬喰町駅4番出口を出てすぐのところに「トレインホステル北斗星」がある。入口には「北斗星」のヘッドマークがあり、これを見るだけでテンションが上がる。チェックインを済ませると、建物入口と客室入口を開けるための暗証番号が書かれたカードが渡される。フロントの営業終了後も、暗証番号を使って入口を開ければ外出は可能だ。 

ゲストルーム

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指定されたゲストルームに向かうと、入口には「北斗星」の車号板と、号車札を模した階数の表示があり、なんだか本当に客車に乗っている気分。先ほど渡された暗証番号を打ち込んでドアを開く。すると、中は2段ベッドが並び、懐かしい光景が蘇る。しかもベッドのみならず、上段へのハシゴや読書灯もそのまま設置されていて、「北斗星」がそのままここにやってきたかのようだ。

A個室

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A個室のベッドとデスク

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(※画像はトレインホステル北斗星公式サイトより引用)

ブルートレインらしく二段ベッドで寝るという選択肢もあったが、今回はタイミング良く個室が空いていたので迷わずA個室へ。過去に乗ったときは、いずれもB寝台だったので、ようやく個室寝台で寝るという念願が叶った!
他の客の目を気にすることなく、堂々とベッドで横になったり、デスクでゆっくり酒を呑んだりできるのはなんて素晴らしい。個室内も運行当時そのままに、室内灯や鏡、さらにはオーディオパネル(※BGMは流れず、ただの装飾だが)まで設置されているほどのこだわりよう。個室に入ってからしばらくは、YouTubeに上がっている「北斗星」の車内放送を流し、寝台列車気分を味わっていた。


寝台特急北斗星 車内放送 上野~札幌フル

共用ラウンジ(グランシャリオ)

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しばらく個室で過ごしたのち、2階の共用ラウンジ&キッチンへ。
共用ラウンジには「北斗星」の食堂車「グランシャリオ」で使われていたパーツがそのまま使用されていて、さながら食堂車の雰囲気。ただ、ここはレストランではないので、食事は自分で用意する必要がある。キッチンには電子レンジや炊飯ジャー、冷蔵庫もあるので、自分で食材を持ち込めば調理することも可能。あいにくそこまでの余裕はなかったので、隣のコンビニでビーフカレーを買い、食堂車気分を味わった。ここには補助席も設置されていて、お馴染みだった補助席の座り心地に懐かしさを感じた。

シャワールーム・ランドリー

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(※画像はトレインホステル北斗星公式サイトより引用)

6階はシャワールーム。シャワーカードを買って、時間内で浴びなきゃならないのかと思っていたが、さすがにそうではなく普通に24時間使用可能。シャンプー・リンス類も完備している。時間を気にすることなく、ゆっくり浴びられたのはよかった。まあ1つぐらい、カード式を体験できるシャワーがあってもよかったかも(笑)
洗面台にはドライヤーも完備。また、コインランドリーもあるので、長期滞在にもうってつけだろう。

そして、就寝

シャワーも十分気持ちよく浴びられて、そのあと個室で再び車内放送を流して旅気分を味わったり、無線LAN(無料)に繋いで動画配信を楽しんだりと、ゆったり満喫。そして夜も更けたところで、ヘッドで横になり就寝。幅は狭いが、その限られた空間と寝台席ならではの寝心地が、数々のブルートレインの旅の思い出を呼び覚ましてくれる。これに列車の揺れが加わっていたら、言うことはなかったのだが。ともかくこれでブルートレインの夢が見られそう・・・

と思いきや、2、3時間ほどで目が覚めてしまう。そういえばブルートレインで寝ると、いつも夜中に目が覚めていたっけ。それだけ自分は興奮していたのだろうか。そのあとも結局思うように寝付けず、翌朝まぶたが重いままチェックアウトしたのだった・・・。

それでも、久々にブルートレインの旅気分を味わえたのは最高だった。もうこうなった「北斗星」に限らず、数々の寝台特急をイメージした宿泊施設をどんどん作ってもらえないだろうか。「カシオペア」とか「トワイライトエクスプレス」とか「はやぶさ」とか。ブルートレインの歴史を後世に残すという意味でも、大変意義深いことだと思うが。

参考記事

tetsudo-shimbun.com

www.jalan.net

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