ぬるオタな日々 by 少恒星

アラフォー独身のぬるオタの日々戯言。

予想外の2020年。ウィズコロナ時代の気楽さと不安と

激動の2020年も間もなく終わる。

去年もただでさえいろんなことがあり、僕の人生の中でも忘れられない一年だと思っていたが、まさかそれを遙かに上回るような出来事が世界を襲うだなんて予想だにしなかった。世界は一変し、仕事もリモートワークが中心になり、遠出も気軽にできなくなった。東京五輪も当然中止・延期に。衝撃的な訃報も相次いだ。自分もまたこの一年、密かに計画していたこともあったのだが、それも少し見直さざるを得なくなった。自分だけではなく、世界中の多くの人がこのコロナ禍によって大きく人生を狂わされたことだろう。

だが、冷静に振り返ってみれば、少なくとも自分の生きた時代においては、そういった予想外の連続だったように思う。バブル崩壊オウム真理教事件アメリ同時多発テロリーマンショック東日本大震災・・・いずれも誰もが予想できなかったことに違いない。人類の長い歴史で見れば、このぐらいの出来事など数え切れないほどあるだろう。僕らは何が起こるかわからない世界で生きている。それを前提に、これからも僕らは生きていかなければならないのだろう。

一方で、この一変した世界を、少しばかり気楽な気もしている。元来コミュ障で人と接することが苦手な僕には、集団で群れることが求められる「社会」にどうしても馴染めないところがあった。職場では雑談の輪にどうも入り込めず、飲み会やパーティーではただ聞き役に徹するか、適当に手洗いに行ってなんとかその場をしのぐ始末。それが今はどうだろう。集団で集まることは推奨されず、一人でいることが薦められる気楽さといったらもう。最初はできるか不安だったリモートワークもすっかり慣れて、とにかく成果物さえ納めれば、余計な雑談などに気を遣うこともなく、自分の好きなペースやスタイルで仕事ができる。プライベートに至っては、もとから一人で行動するのがメインだったのでほぼ平常通り。ウィズコロナ時代、そこまで悪いものじゃないと僕は思う。

しかしながら、リアルな場じゃないと得られない楽しさも当然ある。コミックマーケットをはじめ、リアルな大型イベントが中止になったのは寂しかったし、いろんな場所へ出向くこともままならなかったのはもどかしかった。映画館は『鬼滅の刃』で盛り上がっているように見えても、その恩恵を受けているのは一部に過ぎない。ミニシアターはまだまだ厳しい。結局、人間社会は一人では成り立たないのは当然だし、楽しさも広がらない。このコロナ禍が一刻も早く去ってほしいと願うばかりだ。

このコロナ禍を通じて改めて強く感じたことがある。それは、今の自分を形作ってくれた人やモノ、そして価値観が、近年急速に失われているということだ。仕方のない部分はあるにせよ、今は「カネ」ばかりを優先するあまり、人として守るべきものまで忘れようとしているのではという気さえしている。それを時代の変化だと言ってしまえばそれまでかもしれないが、その先にある未来は、少なくとも僕が望むような世界とはどうしても思えない。先人達が積み上げた歴史や知性あっての、自分であり世界でもあると思っている。それを断ち切ってしまったら、今当たり前のように愛され語られている歴史や文化・慣習も、数十年後には忘れ去られてしまう。そんな危機感を抱いている。

この歳になると、もはや10年後というのはずっと先ではなく、すぐそこにある未来だと感じている。そのときになっても皆が覚えていてくれるように、これからは「語り継ぐ」ということを意識して日々努めたいと思う。それはとても小さいことだけど、決して無意味なことではないと信じて、皆に伝えていきたい。もはや「ぬるオタ」ではいられない。

とまあ、口先だけは立派の、相変わらずの年末のご挨拶ですが、今年も私のくだらないツイートにお付き合い頂きましてありがとうございました。また、今年後半からはブログも再開して、 こちらも駄文ばかりではありましたが、それなりに読んで頂けたのは何よりでした。来年以降はもっと読み応えのある記事を書きたいと思っています。あまり期待されてもアレですが(笑)
まだまだ大変な状況は続きますが、どうかお体には気をつけてよいお年をお迎えください。