ぬるオタな日々 by 少恒星

アラフォー独身のぬるオタの日々戯言。

東京ヤクルトスワローズ20年ぶりの日本一

昨季の日本シリーズは、セ・リーグの巨人が二年連続でソフトバンクにコテンパンにされ、33-4超えが期待されるほどにネタと化してしまったが、そのセ・リーグで目下最下位だったのがヤクルトだったわけで、これではもう20年くらいは日本一には手に届かないだろうと思っていた。
それが今季は大混戦の末にリーグ優勝。クライマックスシリーズも勝ち抜き、1年前は遠い目で見ていた日本シリーズが、一気に身近になるとは誰が予想しただろうか。

相手は、ヤクルトと同じく二年連続最下位の屈辱を味わったオリックスバファローズオリックスとの日本シリーズは1995年以来26年ぶり。「野村ID vs 仰木マジック」「古田vsイチロー」「小林vsオマリーの14球」など、数々の名勝負を繰り広げたあの年以来の対戦カード。戦力的にも似通ったチーム同士なだけに、これは面白くなりそうだとは思っていたが、まさかあそこまで白熱したシリーズになろうとは・・・

第1戦は、2点リードから9回裏にマクガフが打ち込まれ、まさかの逆転サヨナラ負け。
幸先の悪いスタートを切ったかと思ったら、第2戦は高橋奎二がシリーズ初登板でプロ初完封勝利で第1戦の悪夢を帳消しに。
第3戦は逆転に次ぐ逆転のシーソーゲームを制し2勝1敗に。
第4戦はチーム最年長・石川雅規の6回1失点の好投でセ・リーグ最年長勝利を上げ、日本一に王手。
いずれも僅差の接戦で、展開と運次第では、逆に向こうが王手をかけていても不思議では無いほど拮抗したゲームが続く。次第に、他のことが考えられなくなるほど日本シリーズにのめり込んでいった。

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そして第5戦は、抽選でチケットが当たったので、初めて日本シリーズを生観戦。
仕事を早く終わらせて東京ドームに向かい、外野スタンドで試合を見守る。
先制こそしたものの、その後オリックスに逆転を許し、8回表終了時点で2-5の3点ビハインド。さすがに今日の胴上げは無いと思っていたら、8回裏に2つの四球でランナーが2人出て、3番の山田哲人。ここまで快音が聞かれなかったが、東京五輪MVPは伊達じゃなかった。レフトスタンドへ一気に同点の3ラン。ライトスタンドのスワローズファンは大興奮。この出来すぎた同点劇にドーム全体がどよめく。レギュラーシーズンとはひと味もふた味も違う、頂上決戦ならではの空気感に、僕は興奮を隠せずにいられなかった。

もしかすると、サヨナラ勝ちで日本一の胴上げが見られるのか?
という淡い期待も抱いたが、その直後9回表に、代打アダム・ジョーンズの勝ち越しホームランが飛び出し、結局敗戦。さすがは頂上決戦。そう簡単には勝たせてくれない。しかし逆に、まだまだスワローズの戦いが見られることに喜びも感じてはいた。ここまで来たら、もう納得のいくまで戦ってほしいとさえ思った。

そして第6戦は、知人からのオンライン飲み会の誘いも断り、試合開始から終始テレビ中継にかじりつく。相手先発は山本由伸。さすがは球界No.1投手。燕打線は山本を打ち崩せず、結局9回1失点で投げきってしまう好投。
一方スワローズは先発高梨からスアレス、清水、田口、そしてマクガフと必死の継投で1失点に抑える。試合はとうとうシリーズ初にして今年初の延長戦に突入。たたでさえ僅差の試合が続いてからの延長戦だなんて見ているこっちも胃が痛くなる。なんなんだこの試合展開は・・・。

延長戦に入ってもなかなか決着が付かず、ついに12回表。今日も胴上げはお預けかと思いきや、2アウトから塩見がヒットで出塁。そしてバッターボックスに代打の神様・川端。伏見が捕逸して二死二塁になり、一打勝ち越しのチャンス。そして・・・

川端がレフト前にポトリと落とすヒットを放ち、二塁から走っていた塩見がホームに生還。ついにスワローズ勝ち越し。怪我に苦しんでいたヒットメーカーが大舞台で大仕事をやってのけた。野球の神様が舞い降りたかのような、劇的な勝ち越しタイムリー。いや、もう彼こそ神様だ。神様、仏様、川端様!!

そして12回裏、10回途中から登板のマクガフが、この回もマウンドに立ち、一人死球で塁に出すも、最後の宗をセカンドゴロに打ち取りゲームセット。試合開始から5時間、長い激闘の末、ヤクルトは20年ぶりの日本一を果たしたのだった。

決まった瞬間、グラウンドに選手が集まり、一人一人歓喜の涙を流す。


チームが低迷する間もスワローズ一筋で投げ続けた石川


スワローズで優勝したいと誓った青木


長く怪我に苦しんだ川端


キャプテンとしてチームを引っ張った山田


若き4番としてチームを鼓舞した村上


それぞれ万感の思いがこみ上げ、涙を流す姿に、自分もまた泣きそうになる。

そして、その選手たちを「絶対大丈夫」と力強い言葉で奮い立たせた高津監督。20年前の日本一の胴上げ投手が、日本一の監督となって胴上げされるという巡り合わせ。黄金期を知るオールドファンにとっては、まさに夢のような光景だった。
ノムさん、天国で見ててくれましたか?

こうして今年のプロ野球は、頂上決戦という名にふさわしい激戦で幕を閉じた。個人的には、黄金期以上にスワローズの底力を見せてくれて、ファン人生の中で最も印象に残るシーズンだったように思う。もっとも、来シーズンも同じように戦えるとは限らない。この強さが本物であることを証明するためにも、来シーズンは、ノムさんも果たせなかった日本一連覇を達成してもらいたい。

東京ヤクルトスワローズ、日本一おめでとう!!

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