ぬるオタな日々 by 少恒星

アラフォー独身のぬるオタの日々戯言。

『のんのんびより』ついに完結

世間はエヴァや『進撃の巨人』の完結で盛り上がっている最中、この作品もまた静かに完結を迎えた。

最初に出会ったのはテレビアニメだった。牧歌的な田舎の風景に始まり、その美しさに最初は引き込まれた。美術を手がけたのは草薙。その丁寧な仕事ぶりは相変わらずだが、田舎暮らしが素晴らしいだとか、そういうことを言いたいわけではない。話の主眼は、そこで暮らす生徒や住人たちの日常だ。小学1年生ながら独特な感性と知性を持つ、れんげ。小学5年生ながら大人びていて、しかし家では大の甘えん坊な蛍。トラブルメーカーの夏海。中2なのに子供っぽく見られてしまう小鞠。その田舎にある唯一の学校「旭丘分校」には個性豊かな生徒が集まり、大いに遊び、時には一騒動起こしたりと、生き生きと毎日を過ごしている。

ハタから見れば他愛なく、時には馬鹿馬鹿しく見える彼女らの日常だが、見ていると不思議と顔がほころび、気づけばずっと笑ってばかり。絶妙なタイミングとテンポで交わされるセリフ回しや、登場人物の突拍子もない行動には、お腹がよじれるほど笑う。一方で、静かに時が流れていく田舎の日常を、長回しやFIXで切り取る演出も見事。その何気ないひとときが尊いものであることに気づかせてくれる。いつの間にか忘れてしまった日常の中にある楽しさが、ここに凝縮されている。終始ニヤニヤしながらアニメを観ることが久しく無かったので、原作コミックはもちろんのこと、Blu-rayBOXにも手を出すほどにすっかりハマってしまった。それだけに完結を迎えるのは寂しい。

しかし、作品は終わっても、彼女たちの日常はこれからも続いていく。他愛ない日常を毎日楽しみながら。自分も、そんな風に日常を楽しめれたらいいな。