ぬるオタな日々 by 少恒星

アラフォー独身のぬるオタの日々戯言。

ところざわサクラタウン訪問記 ~「クールジャパン」の拠点にふさわしいか~

先日、ところざわサクラタウンに行ってきた。
お目当ては、EJアニメミュージアムで開催された「Newtype35周年 アニメ・クロニクル」だったが、日本最大級のポップカルチャーの発信拠点として、ミュージアム以外にも様々な商業施設が展開されていると聞き、そのついでにいろいろ見て回ってきた。

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角川作品のマンホール蓋

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サクラタウンまでは、最寄り駅のJR東所沢駅から歩いて10分ほど。真っ直ぐ目指すのもいいが、ここは足元にも注意しながら向かうことをオススメしたい。というのも、サクラタウンまでの歩道には、『ガンダム』や『エヴァンゲリオン』『涼宮ハルヒ』など、角川を代表する作品が描かれたマンホール蓋が点在している。かく言う筆者も、東所沢公園に入る直前でその存在に気づき、帰りしなにも探した結果、合計19点見つけることができた。もう少し時間をかければ、まだあったかもしれない。

ところざわサクラタウンへ

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東所沢公園を通り過ぎ、ところざわサクラタウンに到着。
建築家・隈研吾氏のデザインによる、まるで岩にも似た独特の形状の角川武蔵野ミュージアムが目を惹く。商業施設の入るサクラタウンの外観は、どこか日本のお城にも似たデザイン。日本らしいといえば日本らしい。施設には、角川直営のEJアニメホテルや書店、飲食店などが入り、コロナ禍ながらもそこそこ賑わっていた。

サクラタウンにはなんと神社もある

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意外なことに、サクラタウンには神社もある。「武蔵野坐令和神社(むさしのれいわじんじゃ)」と呼ばれるこの神社は、天照大御神(あまてらすおおみかみ)を主祭神素戔嗚命(すさのをのみこと)を相殿神とし、二柱の御祭神を「言霊大神(ことだまのおおかみ)」と総称して奉っている、れっきとした神社なのだ。日本のコンテンツの発展を祈願して建立されたという。建立されて間もないこの神社に、どこまで御利益を得られるかはわからないが、ちょうどまだ初詣には行っていなかったので、遅ればせながらここで初詣をしてきたのだった。

EJアニメミュージアム「アニメクロニクル」

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そして、角川武蔵野ミュージアム3階にある、今回お目当てのEJアニメミュージアム「Newtype35周年 アニメ・クロニクル」へ。『ガンダム』『エヴァンゲリオン』『マクロス』『スレイヤーズ』『涼宮ハルヒ』など、ニュータイプを賑わせた作品の数々が集結。当時の掲載誌面や、原画や絵コンテ、設定資料(複製)などが多く展示され、その当時の人気ぶりを述懐させられた。林原めぐみさんの音声ガイド(有料)も付いていて、その声に安心感も抱く。『ゴティックメード』に1コーナー割いていたところは、実に「ニュータイプ」らしい。最後のコーナーは「ニュータイプ」の歴代表紙が壁一面に飾られ、その光景は壮観だった。

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マンガ・ラノベ図書館 

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お昼を済ませたあとは、角川武蔵野ミュージアムでゆっくり過ごそうと思っていたが、当日の1dayチケットが完売になったと知り愕然。結局、この日入れたのは、マンガ・ラノベ図書館(入場料:一般600円)のみ。ここには角川グループが出版するコミックとライトノベルが所蔵されており、貸出はできないが、自由に手に取ってゆっくり閲覧できる。1階の本棚には、作品のフィギュアも展示されていて、こういうお遊びは角川ならではと言える。2階への階段の踊り場には、角川歴彦氏による「ライトノベル宣言」が書かれていた。

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kadcul.com

サクラタウンはクールジャパンの拠点にふさわしいか。

全てを回ることはできなかったが、 クールジャパン発信拠点としての「ところざわサクラタウン」のイメージはなんとなく掴めたように思う。ただ、EJアニメミュージアムは、ミュージアムと言うよりはアニメ関連イベントの展示スペースという意味合いが強く、ここに作る意味があったのか疑問が残る。ミュージアムと名乗るのであれば、せめて常設の展示コーナーも設けて、アニメの歴史を伝えるという役割も果たしてほしかった。「マンガ・ラノベ図書館」にしても、確かに国内ラノベの多くは角川グループから出版されているが、何もラノベは角川の専売特許というわけではなく、競合他社からもラノベは多く出版されている。さらには、小説投稿サイトの台頭もめざましい。そうした文脈を無視して、果たして「ライトノベルで世界最大の図書館」と堂々と名乗れるのだろうか。

クールジャパンの発信拠点と称するならば、自社だけではなく業界全体のことを考えて、施設の役割をしっかり考えてほしい。そんなモヤッとした印象を抱いてしまった。

ニュータイプ 2021年2月号

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  • 発売日: 2021/01/09
  • メディア: 雑誌