先日11/3の文化の日は東京国際映画祭へ。
お目当ては『サイダーのように言葉が湧き上がる』の特別上映だったが、せっかくなので山中貞雄監督『人情紙風船』の4Kデジタル修復版も鑑賞してきた。作品自体は以前から興味があったので、ようやくスクリーンで観ることができてよかった。
冒頭から、江戸の長屋で暮らす人たちの生き生きとした姿と、テンポのよい軽快なセリフ回しに引き込まれ、これこそが江戸時代の真の空気だとさえ感じた。戦前に撮られた映画とは思えないほどに面白い。これが山中貞雄監督の最後の作品で、その後戦病死してしまった上、現存する監督作品がこれを含めて3本しかないという事実がなんとも悲しい。どんなことがあっても、作品を遺すということの大切さを噛みしめる。
そのあと、メインの『サイダーのように言葉が湧き上がる』。ベタなボーイ・ミーツ・ガールものだけど、爽やかで甘酸っぱい気分に浸れる青春映画。『四月は君の嘘』のイシグロキョウヘイ監督なだけあって、音楽の使い方が素晴らしい。フライングドッグ10周年記念作ということもあり、音楽のルーツにも迫ったドラマ構成もなかなか。早くみんなに観てもらいたいけど、来年6月公開か~(>_<)
でも夏に観るのが一番ふさわしい作品なので、それまでしかと待つことにしよう。