三年前、初めてコミケに行ったときのことを私はこのブログで書いた。
あれから歳月が流れ、私もすっかりオタク化が進んだ。所蔵のオタグッズもすっかり増えてしまった。同人誌も以前よりは興味を持つようにはなってきた。誇るべきことなのかどうかはさておいて。
それでもあれからコミケにもう一度行こうという気は起きなかったのだが、今年はいつもお世話になっているTwitterのフォロワーさんが、みんな参加されるということもあって、それに流されるかごとく行くことに決めた。前回は甘く見て痛い目を見たので、今年は企業ブースの限定グッズやサークルもしっかりチェックして臨んだ。はっきりとした目的意識がなければ、このコミケを乗り切ることはできない。
しかし、覚悟していたとはいえ、やっぱりしんどかった。今回はぐずついた天気になるという予報だったが、結局、一時にわか雨が降った程度で、幸か不幸かおおむね好天に恵まれた。おかげで炎天下の中を長時間待たされる羽目になった。
会場に入っても大混雑で、場所によってはろくに動けなかった。1日目は企業ブースがそんな状態だったが、それよりもひどいと思ったのは3日目だ。経験者にはもはやご存知だろうが、3日目は、まあつまり、R-18ものを販売するサークルが集中してるってこともあって、ある意味3日目こそが本番とも言われるぐらいである。
で、今回2回目である初心者の私は、無謀にも3日間フル参加をしてしまったわけで、もちろん3日目も行ってきたのだが、ものの見事に揉みくちゃにされた。場所を確認しようにも、ろくに立ち止まることさえままならないし、目的のサークルにたどり着くだけで体力を消耗してしまう。はっきり言って、いつも通勤している御堂筋線の混雑のほうがまだマシだと思ったぐらいだ。
ほぼ様子見程度だった前回とは違って、今回は目的を持って参加したこともあって、いろいろとわかったことや注意すべきことなどを知ることができた。経験者には当たり前のことかもしれないが、コミケ2回目の初心者なりに伝えたい。今後参加しようと思っている初心者に向けて。
水は必須。
これは、実際自分が持って行ったので、結構役に立った。もちろん熱中症対策のための水分補給が主なのだが、待機中はトイレに行くだけでも長時間並ばなければならないし、結果的に洗面所にも長蛇の列ができる。用を足さずとも、手を洗いたいなどで洗面所に行こうにも並ばねばならない。
また、8時45分以降は列が動き出すので、離れるわけにはいかない。そういうときに水があれば、その場で手を洗えるし(もちろん周りに迷惑をかけない程度にだが。)、涼むためにタオルなどを濡らすのに役立つ。2リットル1本ぐらいあれば十分だろう。もちろん、その分荷物が重くなるけど、入場する頃には水もだいぶ減っているとは思うので、問題はないだろう。
スマートフォンがつながらない。
今回実感したのは、スマートフォンなどの通信端末がほとんど繋がらなかったことだ。今回も携帯各社は移動基地局を設置していたが、僕が使用していたauは、会場ではほとんどつながらなかった。ドコモも繋がりにくかったという話を聞く。ここ一年でスマートフォンの普及率がだいぶ上がってきたこともあって、おそらく通信量も膨大になっているはず。その処理に追いつかなかったのだろう。次回以降の携帯各社の対応が気になるが、しばらくは繋がりにくいという事態は続きそうな気がする。ますます「待ち合わせ」が肝心になってきそうだ。
あと、もしスマホで「自動同期」を設定している人は、同期はオフにしておいたほうがいい。スマホは自動的に通信して同期しようとするが、通信状況が悪い場合は成功するまで何度でも自動的に行う。そうなると、その分バッテリーを消耗してしまうので、すぐに電池切れを起こしてしまう。モバイルバッテリーを持って行くのももちろん重要だが、通信がつながりにくい会場内では、同期をオフにしてバッテリーの消耗を抑えることをオススメする。
限定グッズは始発から並ばずとも買える可能性がある。
今回の参加の主目的であった企業ブースの限定グッズ。各ブースいろんな限定グッズが販売されて、私も他にいろいろ買いたかったが、結局京アニの『映画けいおん!』一本に絞った。さすがに待機列に何度も並ぶのはしんどい。限定グッズは始発から並ばないと買えないというイメージがあって、それだけに初日に会場7時30分着で並んだときは買えるかどうか不安だった。結局は『けいおん!』C82セットは無事に買えたけど。
しかしふたを開けてみると、意外にも3日目の終盤になってもまだ売れ残っている商品が見受けられた。『Fate/Zero』はさすがに「打ち上げセット」「cafeセット」は売り切れていたものの、「OP・ED原画集」はまだ売られていたし、劇場版『まどマギ』の前売り券セットも若干ではあるが売れ残っていた。どうも『けいおん!』を始めとする人気作品は、在庫を多めに抱えているようで、すぐに売り切れるという状況はできるかぎり避けるようにしているようだ。もちろん商品や作品によっては、入場した時点ですでに売り切れていたものもあったが。
だから、無理して始発から行かなくても限定グッズは買える可能性があるのだ。狙いの商品を確実に手に入れたいというのなら、やっぱり始発から行くべきなのだろうけど、特には決めてなくて、あれば買いたいという程度であれば、ゆっくり行っても大丈夫だろう。もっとも、買うのに長時間並ばされる場合もあるので、ようやく買えたときにはコミケ終了していたってこともありうるが。
見て回るだけでも楽しい。
コミケの魅力の一つは、とにかくジャンルが幅広いということだ。マンガ同人誌の即売会というイメージが強いだろうが、それだけではない。評論本や小説はもちろん、自作の音楽を入れたCDや自作のグッズなども販売できる。定番の二次創作ものから、お堅い政治や経済関係、さらには鉄道、軍事、廃墟、酷道などといったマニアックなジャンルまで、とにかくなんでもありなのだ。現役の市会議員までもがサークル参加するぐらい、ここは自由な空間なのだ。だから狙いのサークルに行くだけでなく、ちょっとサークルを見て回るだけでも結構楽しい。一般の商業雑誌ではやらない(できない)ような企画が実現できているのだ。
とはいえ、会場全体を回るのはほぼ不可能だ。ただでさえ会場は広い上に、そこに数多くのサークルが所狭しと並んでいるから、歩き回るだけでもしんどい。しかも、人気のあるジャンルでは人が集まって、ゆっくり見て回れる余裕などない。(エロ系ジャンルなどはもってのほか。)
見て回るにしても、事前にカタログで、興味のあるジャンルがどこでやっているかはチェックしておくべきだろう。たいていはジャンルごとにまとまって配置されているので、目当てのサークルを回ったあとに、近くのサークルをついでに回れば、新しい発見に出会える可能性が十分高まる。
最後にこれだけは忘れないでほしい。
買いすぎに注意
こういうお祭りとなると、財布のひもがどうしても緩んでしまうのが人間の性。しかし、同人誌というのは意外と高い。無料で配布されているものもあるが、たいていは1冊500~1000円ぐらいで販売されている。
だから、買ったのはちょっとだけと思っていても、気がつけばかなりの額をつぎこんでいたということもありうる。加えて企業ブースの限定グッズやら会場までの交通費やら飲食代などもろもろ計算したら、どれだけの額になるだろうか。
私も三日間で相当買い物をしてしまったが、その額は・・・計算するのも怖い・・・。
参加するのなら、懐具合も頭に入れて慎重に買い物をすべきだ・・・。
とまあ、しんどいこともあったけれども、コミケを通じて新しい出会いもあったり発見もあったりで、全体的に見れば結構楽しかった。こういう楽しさがあるからこそ、みなコミケに行くのだろう。次にコミケに行けるのはいつになるかわからないが、この空間がいつまでも続くことを強く願いたい。