ぬるオタな日々 by 少恒星

アラフォー独身のぬるオタの日々戯言。

藤子・F・不二雄ミュージアムに行ってきた(2)

(1)からの続き
いよいよミュージアムの入口に入る。その前にスタッフから受付で渡される「おはなしデンワ」の操作方法についての説明を受けた。「おはなしデンワ」は展示室にある番号を押すと、その展示についての詳しい説明や制作秘話などが聞ける音声ガイドだ。「おはなしデンワ」には大人用・子供用があり、それぞれ違うガイダンスが聞ける。また、日本語以外に英語・中国語などの外国語版もある。説明を受けたのち、受付で「おはなしデンワ」とFシアターの入場券、そして開館記念品として粗品が渡された。(その粗品については後述)


そしていよいよ展示室に入る。(展示室内は撮影禁止のため写真はなし)
するとそこには、藤子F先生の数々の代表作の原画がすらり。一部複製のものもあったが(ちなみに複製原画にはコピーロボット」のマークが貼られている。)、藤子F先生が実際に手を施した生の原画がこうして間近で見られると思うだけで、ものすごく気分が高まってくる。「おはなしデンワ」のガイドも、今まで知らなかった話が出てきたりと十分聞きごたえのある内容。展示室の中央には、原画と合わせて、その漫画にちなんだ品々が収められている引き出しがある。パーマンのヘルメットやバッジ、奇天烈大百科などなど、見事に凝って作られている。また、展示されていた作品のアニメ映像がモニターに映し出されていて、原画と比較して見られるというのも面白い。

2階に上る直前にあったのは、再現された先生の仕事部屋と、先生が集めた膨大なコレクションが収められた本棚。そのコレクションの数にはただただ圧倒される。詳しくは確認していないが、『ベン・ハー』のレーザーディスクや、クラシックのレコード、そして私がとても手を出さないような、恐竜時代や古代文明の研究書まで幅広くコレクションしていたことがうかがえる。この膨大なコレクションから数々の傑作が生み出されたのかと思うと、とても恐れ入る。一つ一つ見ていきたいところだったが、さすがに天井まで伸びている本棚をすべて覗くのは不可能だった。(ちなみに2階には先生のコレクションが見られる小窓がある。)
2階の展示室は企画展示となっていて、今回はオープンにちなんで、代表作の第1話の原画を中心とした展示となっていた。ここでもまた、先生の生の原画をじっくりと見られた。また、展示室にはモニターがあり、先生の生前のインタビュー映像や『のび太の恐竜』予告編などといった秘蔵映像が見られるようになっていた。(映像の音声は「おはなしデンワ」を使って聞くことができる。)
その中には、SF短編の『みどりの守り神』について藤子F先生が語っている映像もあったが、その先生の口から語られた言葉は…「3.11」を経た今となっては、非常に重たくのしかかってくる。この作品が発表されたのは実に30年以上も前。それから人類は何も変わっていないということか。その言葉はぜひミュージアムへ行って直接先生から聞いてほしい。


展示室の最後を飾るのは、先生の「父親」としての素顔がうかがえる、家族の思い出の品々。妻の正子さんや娘さんたちのインタビュー映像がかけられたり、先生が家族のために作った紙人形など(複製)が展示されていて、実に心あたたまる。そして、最後には先生の死去後見つかったというワープロと、そこに残されていた文章平家物語。その中身は…


「そこは平屋の家だった。」


実に先生らしいユーモアのある文章だった。


もっと原画を見ていたい気分だったが、展示はこれで終了。なんだか展示室を出るのが名残惜しく感じてしまって、出るのを少しためらってしまったくらいだ。しかし、まだまだお楽しみは続く…
(3)に続く

藤子・F・不二雄ミュージアムの写真まとめ