ぬるオタな日々 by 少恒星

アラフォー独身のぬるオタの日々戯言。

橋下改革の正体が垣間見えた

「高校の格差解消を」橋下知事、授業料クーポン券を検討」(読売新聞)
橋下知事「教育バウチャー制導入を」 府教委に検討提案」(MSN産経ニュース)
これで、橋下知事の教育改革の方向性がはっきりわかったように思う。それは、経済界が望んでいる教育への「市場原理」「競争原理」の導入だ。知事の「教育には競争が必要」という発言も今思えば納得がいく。この「教育バウチャー制度」も、「全国学力テスト」も、もともとは経済界から出されていた提言だ。もちろん「教育委員会解体論」も然りである。

しかし、その「市場原理」「競争原理」を導入したイギリスの教育はどうなったかというと、学力向上に大きな成果は見られず、教育格差が激しくなるばかりで、その結果、14歳対象の学力テストは廃止された。「市場原理」「競争原理」の導入は、必ずしもいい結果を残すとは限らない。橋下知事及び経済界は、イギリス教育の失敗を重く受け止め、それを踏まえた上で、バウチャー制度を導入するか否かを検討すべきだろう。

ちなみに、筆者は「教育バウチャー制度」については、生徒それぞれが自分の個性や適性に合った学校を、もっと広く選択できるという点で賛成である。ただ、小中学校への導入には反対。地域によっては、小中学校を媒介にして、校区単位で地域社会が育ってきたところもあるので、それを取っ払ってしまえば地域との連携を崩してしまうことになりかねない。(これは学校選択制にも言える話だけど。)運用次第によるところが大きいだろう。

これで「教育バウチャー制度」の論議が再燃することは確実。それを見て、今頃ほくそ笑んでいるのは、他ならぬ安倍元首相に違いない。


ところで、先日、「橋下「大阪改革」の正体」を購入した。まださわりしか読んでいないのだが、「道州制」「文化施設の廃止」「御堂筋イルミネーション計画」は関西財界のシナリオであるという指摘は注目すべきところ。結局、橋下改革というものは、経済界による経済界のための改革なんだなあ・・・。

橋下「大阪改革」の正体橋下「大阪改革」の正体
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