ぬるオタな日々 by 少恒星

アラフォー独身のぬるオタの日々戯言。

脱「ゆとり」より脱「トップダウン」を

高校英語、英語で教えるべし」学習指導要領の改訂案
英語で授業…「正直、無理」 高いハードルに先生困った」(朝日新聞)
文科省の役人共は、子供を公立の学校に通わせて現場を見ろやと言いたい。問題点については、はてブなどでいろいろ言われているので、改めて言うまでもないが、この現場無視の「トップダウン」式教育施策はどうにかならんものか。
これまで文科省がやってきた「ゆとり教育」も、結局のところ現場の状況をろくに把握しないまま「トップダウン」で進められた感が否めない。ゆとり教育の理念自体は、私は間違っていないと思うが、これまでとは大きく変わる学力観に基づくものだっただけに、現場の戸惑いも大きかったはずだ。総合学習の時間にしても、どういう授業をしたらいいのかわからない。文科省は具体的な事例を示してはくれず、情報交換も行われない。結局、近くの博物館などを見学するだけといった授業にとどまってしまい、ゆとり教育はうまくいかなかった。んで、今度は基礎学力重視といって、授業時間や内容を増やすという「詰め込み教育」の再来を思わせる事態になっている。
今回の英語授業のねらいも理解できる。しかし、やり方がひどい。本当に使える英語を取得してほしいのならALTをもっと増やすべきだし、大学入試や教科書も見直すべきだ。そこまでの環境整備もしないで、あとは現場任せでは目的は達成されないのでは?
もはや脱「ゆとり」以前に、脱「トップダウン」が先ではないか?こうして上の意向に現場は振り回され、やめる先生や精神疾患にかかる先生が続出。先生の数が減って、ますます先生は忙しくなり、生徒をますます見向きもしなくなって、やがて・・・・。
学力低下よりもそっちのほうがもっと深刻では?


「ゆとり教育」下の現場の状況についてはこの本が詳しい。

ゆとり教育は本当に死んだのか?―公立校再生への道 (角川SSC新書)ゆとり教育は本当に死んだのか?―公立校再生への道 (角川SSC新書)
根本 浩

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