ぬるオタな日々 by 少恒星

アラフォー独身のぬるオタの日々戯言。

2016年鑑賞映画総括【旧作上映編】

仕事の都合で上京してからは旧作上映を観る機会が増えた。これまで「午前10時の映画祭」で見るパターンが多かったが、都内名画座やシネコンの 各所でも特別上映が行われていて、旧作を劇場で見られる機会が増えたのは本当にありがたい。そんな今年見た旧作上映の中で印象に残ったものを。

地獄の黙示録 劇場公開版』(元祖爆音上映) 2016/9/10 立川シネマシティ

去年の『マッドマックス』『ガルパン』で味を占めてから、今年も極爆目当てに立川に行くことが多かった。 「午前10時の映画祭」の一環で上映された『バック・トゥ・ザ・フューチャー 』3部作もいい思い出。

その中で最も印象的だった爆音上映がこれ。しかも「爆音映画祭」を主催するboid自らシネマシティに乗り込んで調整を行ったという【元祖】爆音上映。「ワルキューレの騎行」に乗せた爆撃シーンを始め、ただでさえ狂気に満ちた映画が、これでもかという爆音によって、ますます自分を狂わせる羽目に。もう最高です。

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2016年鑑賞映画総括【洋画ベストテン編】

【邦画ベストテン編】はこちら↓

chusingura.hatenablog.jp

 
質・興行ともに快進撃の続いた邦画と比べると、印象が薄くなってしまった洋画だが、それでも相応の印象に残る作品が多かった。特に『父を探して』『ソング・オブ・ザ・シー』といった、ディズニー以外の洋画アニメの完成度に驚かされた。しかし、アニメ先進国の日本で、それらの洋画アニメを見られるところが少ないというのはどういうことなのか?優れたアニメは日本やディズニーだけではない。まだまだ自分の知らないアニメが世界にはゴロンといるのかもしれない。そう思うと、洋画アニメの国内興行はこのままでいいのだろうか。「ジブリ」以後の日本アニメを考える意味でも、世界のアニメにもっと目を向けるべきだ。

2016年鑑賞映画総括【邦画ベストテン編】

今年4月、ある外国人映画プロデューサーの「日本映画のレベルは低い」発言が物議を醸した。 
 
この発言を受けて、今の日本映画は本当に酷いのかそうではないのか、映画ファンの間で様々な議論を呼び起こしたその一言は、ともあれ今の日本映画の置かれている状況を象徴している出来事だったように思う。
 
そんなかくも言われっぱなしの有様に、なにくそと発奮したのだろうか。今年の日本映画は意地を見せんとばかり、例年稀に見るほどの傑作を連発。普通ならばベストワンに選ばれてもおかしくないような作品が、ベストテン圏外に追いやられてしまうほどに、大傑作が多かった。また、山戸結希、真利子哲也らといった若手有望株の台頭も目覚ましかった。そして『シンゴジラ』『君の名は。』というメガヒット邦画が現れた。そういえば、『ゴジラ』が興行収入で『君の名は』に62年ぶりに再び敗れるというのが話題になったが、その62年前の1954年は『七人の侍』『二十四の瞳』という日本映画史に燦然と輝く傑作が次々と現れた年でもある。1954年と同様、2016年もまた日本映画史に残る年として後世に語り継がれることになるだろう。
 
とはいえ、その認識を共有できている人が一体どれだけいるのだろうかと気になるところもある。安直な企画の日本映画が未だシネコンで蔓延り、今の日本映画に対するマイナスイメージがまだまだ根強いところも否めない。これを契機に、真に認められるべき傑作が、多くの人の目に触れられるようになることを切に願う。

アカデミー賞長編アニメーション映画賞、海外メディアのノミネート予想をまとめてみた

先日、第89回アカデミー賞の長編アニメ映画賞の選考対象作品が発表され、日本からは新海誠監督の『君の名は。』、原恵一監督の『百日紅 Miss Hokusai』、『KINGSGLAIVE FINAL FANTASY XV』、そして日本作品ではないがジブリ製作の『レッドタートル』がノミネート対象となった。

www.oscars.org

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映画監督、山田尚子を応援したい。~『映画 聲の形』感想~

2年前、『たまこラブストーリー』の公開時に、私はこんなことを書いた。

chusingura.hatenablog.jp

劇場アニメ、いや「映画」こそが山田尚子監督が一番力を発揮できる場所ではないか。
だったら、次は劇場オリジナル作品で勝負してもらいたい。そんなことを常々考えていた。

それから時が流れ、9月17日。
人気コミックの劇場アニメ化という形ではあるが、彼女にとっては、テレビアニメの劇場版ではない、初めての単体の映画監督作品が公開された。それが『映画 聲の形』だ。

 

koenokatachi-movie.com

 

もともと自分は『聲の形』の原作コミックを読んでおり、とても胸を締め付けられた。そしてこれを誰か劇場アニメ化してくれないだろうかと、あれやこれやと夢想していたのだが、まさか京都アニメーションで、それも山田尚子監督で映画化されるとは予想外だった。
しかし、これ以上のうってつけの人はいないと思ったのもまた事実。それだけにどれほど指折り数えてこの映画の公開を待っていたことか。

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前田有一の点数は当てになるのか?前田有一と映画ファンの評点を比較してみる

getnews.jp

漫画の実写映画化作品を低評価するたびにいつも話題になる前田有一の超映画批評。最近、彼の評価点をランキング形式でまとめたサイトまでできたようで。

maeda-y.kksg.net

正直言って私は前田有一の評価点など全く信用していない。だいたいお前ら、前田有一が他の映画にはどういう評価しているのか読んだことあるのか?
あるときはクソ映画にありえない高得点つけていたり、逆に面白い映画なのにありえないほどの低い点つけていたりと、彼の審美眼を疑う評価を何度も目にしている。アマルフィ』が『グラン・トリノ』とか『おくりびと』と同じ90点ってどういうことだよ!?

まあ映画評論家はそれぞれ彼らなりの評価基準というのがあるだろうし、単に自分がそれにそぐわないだけであれば諦めはつく。しかし「信頼のおける映画評論家」として彼が持てはやされるのも納得がいかないので、ここはひとつ前田有一の評価と、実際に映画を観た観客の評価がどれだけ近いのか見てみたいと思う。

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2015年を振り返って

自分にとっては怒涛の2015年が終わろうとしている。

 
最大の出来事は、何と言っても東京へ異動になったことだ。異動に至った経緯について詳細は伏せるが、関西には愛着があっただけに、この話を聞かされたときはショックのほうが大きかった。もちろんこれを断って転職するという選択肢もあったが、要領の悪い自分に上手く転職できるのかという不安もあって、結局異動を受け入れることに。そして、2015年7月から東京へ移り住んだ。
 
それからというものの、これも詳細は伏せるが、方針が変わったことや、その他社内でゴダゴダが重なったこともあって仕事環境が激変。これまでやってきたことが無意味になったと思うくらいに、いろんなことが変わり、自分の中で何かが崩れ始めた。
それに加えて、自分のコミュ障ぶりが災いしてミスを繰り返し、社会人としていかに自分がスキルが低いのかを思い知らされた。それを知ったときは、明日の自分すらも見えない暗澹たる気持ちになり、正直辛かった。そしてその不安は、今もなお引きずっている。
 
もちろんこっちに来て、楽しみも増えた。スワローズの日本シリーズ進出の瞬間に立ち会うことができたし、立川シネマシティの『マッドマックス』『ガルパン』の爆音上映に行くことができた。アニメイベントに参加する機会も増えた。映画館も充実している。趣味の面で言えば、こちらのほうが充実してきたのは確かだ。とはいうものの、関西にいる間もそれはそれなりに楽しんではいたし、ときどき関東勢をうらやましく思いつつも、東京へはたまに行く程度のほうが特別な感じがあって、それで良いと思っていた。それが関東に来て、楽しみもぐっと増えた反面、スペシャル感が若干薄れた気もしたし、選択肢が増えたために取捨選択がますます難しくなった。正直そこまで自分は求めてなかったんだけどなあという気もしている。
 
ともかく自分の2015年は、より多くのものを得た反面、より多くのものを求められ、あるいは失われた一年だったと思っている。
 
去年の年末では、相変わらずご立派(笑)なことを書いてはいたけど、今回の異動で、なんとなく考えていたことが頓挫してしまったので、来年は仕切り直してやっていきたいとは思うけど、他方で本当にそれは自分のやりたいことなのかと悩むこともあった。普段の自分を振り返って客観視してみると、「それ本気なの?」と自問自答することも多くて、自分の中ではまだまだ定まっていないんだろうなと思う。そんな自分が情けなくて悔しくて、またさらに悩むという繰り返しの日々。自分はこれからどこへ行きたいんだろうか…。
 
来年もまた、いろいろなことがありそうで自分もどうなるか正直わからない。そんな中でも、自分を見失わずに生きていきたいと思ってはいるけど、現在絶賛見失い中。

でも、これから日々の中で、自分の歩むべき道というか、せめてそのヒントとなるものを見つけられればと思っている。来年は精進の年になりそうです。

今年もこのブログやTwitterをご覧いただきましてありがとうございました。皆様良いお年のお迎えください。