今でこそ毎年映画館でドラえもん映画を観ているが、自分が小学生のときにドラえもん映画を映画館で観たのは、小学5年~6年のとき、父の転勤で一時福岡に移り住んでいた頃だった。ちょうど家から歩いて行ける距離に映画館があったので、兄弟と3人で観に行ったものだ。(もっとも兄は親の代わりに付き添っただけだったが。)観たのは『ブリキの迷宮』と『夢幻三剣士』。おそらく映画館で映画を観るという経験も、記憶している限りではこれが初めてだったと思う。映画館のスクリーンが、今でいうところのIMAXシアター並みの大きさに感じられたなあ。(実際はそこまで大きくはなかっただろうが。)
それから20年以上が過ぎた現在。そんな思い出深い少年時代に観た、歴代のドラえもん映画を劇場上映する企画が、神保町シアターにて行われている。それが「ドラえもん映画祭2015」だ。5年前にも同様の企画が行われたが、前回は土日のみの上映で、チケットは当日券のみ。その結果、整理券確保のために徹夜組が現れ、朝早く並んでも観れない人が続出。急遽追加上映もされるなど予想以上の大盛況だった。今回は、平日も上映されるうえ、チケットぴあで前売り券を発売することになり、さすがに徹夜組が出るという事態は起きていないが、それでも土日の上映は全て満席、平日の回でも客席の半分以上が埋まるなど、今回も大盛況ぶりを見せている。
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さすがにフィルムの劣化が激しいのは否めない。特に『チンプイ』は、所々コマ切れが目立ち、しかも最後の最後でエンディングが完全に終わらぬままブツ切れて、そのまま『アニマル惑星』の上映になってしまった。しかし、両作品とも決して子供に媚びない作りになっていて、そこには藤子F先生をはじめとする作り手たちの映画への情熱が強く感じられた。そして説教臭いかもしれないけど、藤子F先生がこの映画に込めた子供たちへのメッセージ。まるでタイムカプセルを掘り起こして、過去から今の自分への手紙を読んでいるかのごとく、心にグサリと突き刺さってくる。単に観客を楽しませるだけでなく、物事に対する洞察の鋭さと深さを併せ持つ、それがドラえもん映画なのだ。公開当時の子供たちの一人として、私はそのメッセージを深く噛みしめた。
【おまけ2】