ぬるオタな日々 by 少恒星

アラフォー独身のぬるオタの日々戯言。

ネットカフェの会員制に思うこと

今月から東京都でネットカフェの利用に本人確認を義務づける条例が施行された。これについては、個人的には「まあ、しょうがない」と思っている。というより、すでに関西のほう(特に大阪府)では、青少年健全育成条例で年齢確認のために身分証の提示が義務づけられているため、会員制になっているところが多く、また、日本複合カフェ協会という業界団体も努力義務としてそれを課しているので、今までと特に大きな変わりはないだろうと思っている。(まあ、いわゆる「ネットカフェ難民」の身分証明はどうするのかという問題もあるけど…。)
ただ、その会員制も、場合によっては厄介な存在にもなる。僕はまだiPadやらネットブックやらのモバイル機器を持っていないので、旅先でネットを見たいと思ったときは、当然のことながらネットカフェを使うことになる。しかし、使おうと思ったら会員制。だから、当然身分証を求められ、店舗によっては入会金も払わされる。今度いつまた同じ店に来るかどうかわからないというのに…。
全国展開しているところだったら、そういう余計なことはしなくて済むかもしれない。一応、私もネットカフェの会員証を二枚ほど持っていて、どちらも全店で利用できるということになっている。だから、普段はできるだけ会員証を持っているところのチェーン店に行くようにしている。


ところが先日、ちょっと戸惑ったことがあった。会員証を作ってもらった店とは、同チェーンの別店舗を初めて利用したときのことだ。全店で利用できるというので普通に会員証を提示したのだが、そこで身分証の提示を求められたのだ。え?作ってもらったときに出したのに、また提示しなきゃならないの?なんとなく納得いかないと思いつつ、そのときは仕方なく提示。ついでに、入会時と同じく住所・氏名などを書かされた。

たまたまそのチェーン店が、「会員証をすでに持っているお客でも初めて利用する客には身分証を求める」という方針だったのなら、話はわかるのだが、うがった見方をすれば、実は会員情報はチェーン店全店に共有されていないということも言えてしまう。まあ、全店で個人情報を共有するのはそれだけリスクが高くなることだろうけど、それじゃ「全店で利用できる会員証」の意味は半分なくなるんじゃないか。

もう片方の会員証の店でもこんなことがあった。以前、東京に行ったときに、同チェーンの店に行ったのだが、そこでは会員証の提示はいらないと言われたのだ。というより会員証そのものがなかったようだ。そのときは東京って関西よりもルール緩いのかと思ったけど、さすがに今はもうすでに会員制に移行しているらしい。ただ、このチェーン、実は関東と関西では運営会社が違うので、関西の店で作ってもらった会員証が関東でも使えるのかどうか、正直言ってよくわからん。これも本当に「全店で利用できる会員証」なのかわからん。


どうもTSUTAYAなどのレンタルビデオショップに比べて、ネットカフェの会員証の運用はちぐはぐな気がする。同じ店をよく利用するっていうならあまり気にもとめない話だろうが、次に来る保証がない店にわざわざ入会金払って利用するのはやはり抵抗を覚えるだろう。だったら、すでに会員証を持っているチェーン店のほうが、入会金を払ったり身分証を提示したりする手間が省ける。おまけにシステムもほぼ同じだから比較的利用しやすい。それがネットカフェ自体の複雑な経営体制や、情報管理の問題などに邪魔されて、利便性を失っている感が否めない。会員制のメリットを全然生かしきれていないのではなかろうか。いっそ会員制などやめて、身分証の提示だけにしてもらったほうがかえってすっきりする。

東京都がこの条例を施行したことで、今後似たような条例が全国に波及していくことだろう。これを機に、ネットカフェには会員制のメリットを活かすためにも、運用方法を改めて見直してもらいたいものだ。