ぬるオタな日々 by 少恒星

アラフォー独身のぬるオタの日々戯言。

忘れられない後輩の一言

また今年も犠牲者が出てしまったようだ。

神奈川歯科大:歓迎コンパで飲酒、新入生が死亡 - 毎日jp(毎日新聞) 神奈川歯科大:歓迎コンパで飲酒、新入生が死亡 - 毎日jp(毎日新聞) 神奈川歯科大:歓迎コンパで飲酒、新入生が死亡 - 毎日jp(毎日新聞)

大学生になったといえども、1回生はまだ未成年。成年雑誌は18歳から買えるが、酒が飲めるのは20歳からだ。そこらへん間違えてないか。ま、ちゃんと守ってるサークルなんて少数派だろうけど。

私は酒には弱く、せいぜい飲み会のときぐらいしか飲まない。それもチューハイ2杯程度。それだけですぐに酔いが回ってしまうほどだ。そんな酒の弱い私だが、学生時代は某サークルの飲み会のたびに、周りにさんざん煽られてたっぷり飲まされ、ひどいときは居酒屋のトイレか鴨川にゲロを吐いてしまう有様だった。そのときの気持ち悪さは未だに忘れられない。煽られることもなく和気あいあいと楽しんでいた、他の集まりの飲み会とは雲泥の差だった。サークルの連中どもは限度を知らんのかと思いつつも、それに抵抗する力が及ばず、結局周りに流されて、毎回のように気持ち悪い目に遭わされたのだった。

そんな経験があるゆえ、アルハラまがいな行為で死者もしくは病院搬送が出るような事態はなくなってほしいといつも思うが、これがなくならない。それもまた、サークルの伝統として連綿と受け継がれているのだろうか。


「決まり事が多すぎます。一気飲みとか。」

サークルの集会で、ある女子の後輩がつぶやいたこの一言が今も忘れられない。サークルでは活動をする上で、何かと制約や決まりがあった。それが彼女にとっては苦痛なところもあっただろう。しかし、問題なのは、その決まり事の一つとして彼女が真っ先に挙げたのが「一気飲み」だったということだ。

もちろん、このサークルには「飲み会では一人ずつ「一気飲み」をする」といった明文化された規則などはない。単に、飲み会はこのスタイルでずっとやってきただけに過ぎないのだ。だが、彼女の目には、それはやらなければならない決まり事として映っていた。実際、先輩たちから煽られれば断りにくい雰囲気になるし、断ったら断ったらで気まずい雰囲気になる。明文化されずとも、そういう決まりなのだという暗黙の了解が彼女にのし掛かっていたのだ。その後、諸々の要因が重なったこともあって、彼女はサークルを去っていった。「一気飲み」が直接の理由ではないが、遠因となってしまったことは間違いない。

そういうことがあってもなお、結局飲み会のスタイルは変わらなかった。あのままの形で続けていいのだろうかという議論さえなかった。活動の話から少し外れるがゆえに、議論の対象として見られていなかったのだろう。

あの一言を聞いたとき、飲み会でさんざん痛い目にあっている身として、私は彼女に何かしてあげるべきだった。活動の本分の話ではないにしろ、あの場で無理矢理酒を飲ませることはやめたほうがいいとはっきり提起すべきだったのではないかと。だが、結局できなかった。それは私の気の弱さが最大の原因なのだが、一方でその話を持ち出すことに恥ずかしさを覚えていたというのもあった。飲み会のことを真剣に話し合うこと自体、活動の本分から外れることではないかと思っていたからだ。

しかし、今思えば、本当に恥ずかしいのは、そういうことを話し合わずに、ただなんとなく今まで通りに飲み会を続けていくほうである。今やっている飲み会は、本当にみんな楽しめているのか。もし、何かあったらいったいどうするのか。たかが飲み会と思うかもしれないが、その内容次第で大切な部員を失いかねないのだ(それが最悪の形であろうが、退部というかたちであろうが)。

これから新入生を迎えるサークルもあると思うが、どうかその前に各自で飲み会について改めて見直していただきたい。活動の本分ではないからといって飲み会の議論を恥ずかしく思ってはならない。