ぬるオタな日々 by 少恒星

アラフォー独身のぬるオタの日々戯言。

東京国際アニメフェアから撤退せよ

「不健全図書」指定に、いわゆる「非実在青少年」も含めるという東京都の改正青少年育成条例が成立されそうな状況になっており、物議を醸している。

漫画・アニメの「非実在青少年」も対象に 東京都の青少年育成条例改正案 (1/2) - ITmedia News 漫画・アニメの「非実在青少年」も対象に 東京都の青少年育成条例改正案 (1/2) - ITmedia News 漫画・アニメの「非実在青少年」も対象に 東京都の青少年育成条例改正案 (1/2) - ITmedia News
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番外その22:東京都青少年保護条例改正案全文の転載: 無名の一知財政策ウォッチャーの独言 番外その22:東京都青少年保護条例改正案全文の転載: 無名の一知財政策ウォッチャーの独言 番外その22:東京都青少年保護条例改正案全文の転載: 無名の一知財政策ウォッチャーの独言

この改正条例案の問題点については、すでにあちこちで語られているので、あえてここで語るまでもない。詳しく知りたい方はリンク先を参照していただくとして、これを受けて各都議への意見表明・陳情を呼びかける動きもあり、次第にその気運が高まっている。しかし、本音を言わせていただくと、こうした都議への働きかけが条例案の否決に結びつくかというと、正直微妙なところである。どうしても、しょせんは若者の意見として、あるいはポルノ賛成派のふざけた主張としてあしらわれてしまうのではないかという不安がつきまとう。(もちろん、都議への働きかけを否定するつもりはないが。)
この条例案が問題だらけということを知らしめるためには、やはり一般社会的に地位のある業界団体、表現者団体のアクションが必要ではないかと思う。

この条例案に対しては、日本書籍出版協会、日本雑誌協会などが意見書を出していたのだが、これらの意見はほとんど無視されている。このまま業界は黙って見過ごす気だろうか。少しでも知名度や実績のある業界人が先頭に立ち、この条例の問題点について社会全体に広く主張してもらいたいと思うのだが、未だに業界団体や表現者団体が何らかのアクションを起こしたという話は聞かない。(水面下では動いているのかもしれないが。)このままではネット上だけで大いに騒がれて終わりを迎えそうで怖い。彼らは事の重大さをどこまで認識しているのだろうか。

今月開かれる日本最大級のアニメイベント「東京国際アニメフェア」。これを主催する東京国際アニメフェア実行委員会の委員長こそ、他ならぬ石原慎太郎都知事である。東京都とともに、このイベントの企画運営に関わる団体や企業は、この問題について何とも思っていないのだろうか。運用次第ではコンテンツ産業を衰退させかねないこの条例を。もしかして、こうした大々的なプロモーションや海外セールスの場を失わせたくないから、東京都を下手に刺激しないようにしているのだろうか。そう考えているとしたら、彼らは「表現の自由」を自ら放棄したも同然。日本のコンテンツ産業はその時点ですでに終わりだ。

本当にこの条例がおかしいと思うのなら、それを平気で作る東京都と組んでアニメフェアをやるべきではない。来年度からは運営から外れたらどうか。もしくは東京都とは組まずに、自分たち独自のアニメフェアをやるか。東京アニメアワードを返上する人が出てきてもいいぐらいだ。それぐらい業界全体が毅然とした態度で臨まないことには、この流れも変えられないのではないか。

そして、その「東京国際アニメフェア」に毎年のように来ていた私だが、この条例案の動向次第では参加を見合わせようかと考えている。こんな危険な条例案を作りながら、一方でコンテンツ産業の振興に力を入れるというダブルスタンダードぶりには正直うんざりする。もっとも、すでに前売り券を買ってしまって、しかも払い戻しがきかないので無駄な抵抗なのだが(泣)
あくまで一個人の考えだが、条例反対の意思を示す方法の一つとして考えてみてはいかがかと。

今後の議会の日程では、18日に都議会総務委員会で審議され、19日に採決、そして30日に本会議での採決となる。アニメフェアが開かれる頃には、改正条例案がどの方向に向かうのかがおおよそ見えてくる。それいかんで、今年のアニメフェアは修羅場と化してしまうかもしれない・・・。