ぬるオタな日々 by 少恒星

アラフォー独身のぬるオタの日々戯言。

2009年キネマ旬報ベスト・テン発表

世間はとっくに正月が終わり、そして成人式も終わってしまいましたが、本当に遅ればせながら新年明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。
さて、今年もキネマ旬報ベスト・テンが発表された。とりあえず答え合わせ的な意味も兼ねてベスト・テンの発表。
(作品名の後ろにつけている記号、◎は鑑賞済みかつマイベスト20、○は鑑賞済、×は未鑑賞)
【日本映画】
第1位:ディア・ドクター(監督:西川美和) ◎
第2位:ヴィヨンの妻〜桜桃とタンポポ〜(監督:根岸吉太郎) ○
第3位:劔岳 点の記(監督:木村大作) ◎
第4位:愛のむきだし(監督:園子温) ×
第5位:沈まぬ太陽(監督:若松節朗) ◎
第6位:空気人形(監督:是枝裕和) ◎
第7位:ウルトラミラクルラブストーリー(監督:横浜聡子) ×
第8位:サマーウォーズ(監督:細田守) ◎
第9位:誰も守ってくれない(監督:君塚良一) ○
第10位:風が強く吹いている(監督:大森寿美男) ◎
【外国映画】
第1位:グラン・トリノ(監督:クリント・イーストウッド) ◎
第2位:母なる証明(監督:ポン・ジュノ) ◎
第3位:チェンジリング(監督:クリント・イーストウッド) ◎
第4位:チェイサー(監督:ナ・ホンジン) ×
第5位:レスラー(監督:ダーレン・アロノフスキー) ×
第6位:愛を読むひと(監督:スティーブン・ダルドリー) ×
第7位:アンナと過ごした4日間(監督:イエジー・スコリモフスキ) ×
第8位:戦場でワルツを(監督:アリ・フォルマン) ○
第8位:スラムドッグ$ミリオネア(監督:ダニー・ボイル) ◎
第10位:イングロリアス・バスターズ(監督:クエンティン・タランティーノ) ○
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なんと日本映画部門は鑑賞済み作品が8作もランクイン。今年は結構当たりを引いた感じ。もっとも、ほとんどが評判を聞きつけて観に行った作品なので、特に嗅ぎ分ける力を持っているわけではありません。あしからず。結局、1位はマイベストワンでもある『ディア・ドクター』。これは素直に嬉しい。ただ、邦画マイベスト2の『大阪ハムレット』が外れたのは残念。演出力は秀逸だったが、「大阪」というローカルさゆえに、全国的には受け入れられなかったのだろうか。「おおさかシネマフェスティバル」だったら確実に1位に選ばれそうだが。
一方で、マイベスト20には入れなかった『ヴィヨンの妻』と『誰も守ってくれない』。『ヴィヨンの妻』は、文学にはとても疎い自分には敷居の高かった作品だった。もう少し後になって見返せば、この作品に対する評価も変わってくるかもしれない。『誰も守ってくれない』は、犯罪加害者家族の保護というセンセーショナルなテーマに好感が持てたが、君塚良一監督だけあって、ちょっと『踊る大捜査線』のノリが垣間見えたのが気になった。もう少し誠実に作っていれば、少しは高く評価したと思う。
注目すべきは、8位の『サマーウォーズ』。個人的には『時をかける少女』のほうが上なので、このランクインには思うところがあるが、前向きに考えれば、細田守の才能に評論家の目がますます向けられるようになった証と言えるだろう。アニメーション作品としては、『河童のクゥと夏休み』以来2年ぶりのランクイン。ジブリ作品が2001年の『千と千尋の神隠し』を最後にベストテン入りをしておらず、入れ替わるように原恵一細田守がベストテン入りを果たした。一般層にも向けられた作品に限って言うなら、今後の劇場アニメは原・細田の二強時代に突入しそうな気がする。あとは興行面でジブリにどこまで迫れるかに注目したい。そういう意味でも、来年の原監督最新作『カラフル』は試金石になりそうだ。
どちらかと言えば邦画が好みなので、外国映画は鑑賞本数(11本)が少ないのだが、そんな少ない中で6作品もランクインして、こちらも当たりを引いた感じ。『グラン・トリノ』は、ゼロ年代のベストワンと評する声も大きいが、まだゼロ年代の映画をろくに観れていない自分には、そこまでの評価するには至っていない。もちろん、2009年のベストワン級であることは間違いないが、これも後になって改めて評価するときが来るかと思う。それにしても、クリント・イーストウッド。『チェンジリング』も3位にランクインと本当に凄い。もっとこの人の作品を観なければ…。